【不可能を可能に・・・解釈学の可能性】
前回の記事で、色々な意見が聞けました。まずはありがとうです^^
ネットゲームを巡る記事。いろいろな事件がありました。
一番大きいのはプレイ中に揉め事があって、たまたま側にいた相手を刺殺してしまったという韓国の記事。でもこれは偶然相手が側にいたわけで、まさか双方側にいようとは夢にも思わなかったでしょうね。
もちろん、動機はネトゲだったとはいえ、裁きはリア世界の法律に従ったわけです。まぁ殺そうとして相手を殺した、立派な殺人罪ですからね。
日本では、不正アクセスによるゲーム内の窃盗がいまのとこ最高です。
でも、これも本来は罪に問われるべき「窃盗罪」や「詐欺罪」ではなく、自分のではないアカウントを使用して犯行に及んだという、いわば準備段階が罪に問われた事例です。本来問われるべきところが、現実世界の刑事法では問うことが難しい、これはみなさんもご指摘のあったとおりです。
でもその一方で、良識ある方々は、それに納得のいってない現状があります。それはむしろ当たり前なわけで、現実世界で許されないことが、該当する構成要件(って言い方をしますが、要するに罪に当たる罪状がないということですね。)がないというだけで、仮想世界であるから、ソレが許されるということを、肯定する事例ではないということです。じゃあ、頭ではわかっていても、現実世界で不可能とされていること・・・このギャップを埋める方法はないのでしょうか。
ここに、法律学=解釈学であることのもう一面がでてくるのです。
今まで何千、何万という訴訟があり、それでも尚且ついまだに訴訟が絶えないのは、法律が絶対でなく、また携わる人々が介入できる余地があることの現われなのです。一度判決が下りた事例については、判例に記載され、次回よりそれが法律と同じ効力をもつようになります。これが判例法と呼ばれるもので、憲法・法律・条令などと同じく「法源」(法律の元・判断根拠)になることもまた決まっています。つまり、私達の力で法律が作れるのです。
ここまでいえばお分かりだと思いますが。現在不可能とされていることを可能にする、そのこともまた不可能でないのです。なぜなら・・・それが解釈学の妙味、法律が法律だけでなく、弁護士と呼ばれる人々の腕によるところがあるということなのです。
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【刑法・民法双方におけるポイント】
では、私ならどうするか、ということを書きます。
多少強引なところがありますが、そういう考え方があるんだ~くらいに留めておいてください^^;
まず、刑法・民法どちらにもいえることですが、ネックは要するに詐欺や窃盗されたものが、法律上の「財産」として定義が難しいところにあります。ゲームの中のモノが盗まれたからといって、直ちに現実世界のあなたの財産が侵害をうけたわけではないので、法律上の侵害行為、あるいは不法行為とするのが難しいからです。
では、どう考えればいいのか。それ自体は実はカンタンです。要するに「財産」とみなされる解釈をすればいいのです。私は二つの方法を考えてみました。
まず一つはRMTの存在です。仮想世界の財産は、RMTを行うことにより現実世界の財産となり得ます。つまり法律に記載されている「財産」となりえるわけです。方法がないわけではない、ということはすることができる、つまり「可能」なわけです。可能であることが、「財産」となり得ないと言い切れるでしょうか?
まだもう一つ方法があります。ネットゲームにおけるゼニーやアデナという「お金」は、これは運営側の著作物であります。つまり著作法の保護を受けるわけです。著作物は、「無形財産」として法律上規定されています。つまりそのまま「財産」なんですよね。それで、それが著作権所有者の望まない方法で運営されているわけですから、これは著作権の侵害になります。著作権は無形財産なわけですから、財産が侵害されている・・・つまり窃盗や詐欺という刑事責任、ならびに不法行為の対象足り得るわけです。
【難しいとしたら・・・】
以上のことから、十分に財産侵害を訴えることも可能なんですよ。ただめんどくさいからやらないだけで、このへんは法律屋はもっと知恵を絞る必要があるわけですね。(毒
まぁ、罪になるならないはこのへんにして・・・。
私が難しいと思うのはむしろ、「仮想世界の保護」の仕方だと思います。
基本的には仮想世界は、やりたい放題なわけです。また、RP(ロールプレイ)の名のとおり、色々な役割を演じることができます。なかには詐欺商人の役を演じたい人もいるわけです(猛毒)。そういうことも全て承知の上で、仮想世界に入るべきだとは思います。
義務なき権利なし。
多分こういうことが起こって、一番迷惑してるのは運営側。
全て自己責任でできなければ、ネットなんかやるべきじゃない。
・・・結局そういう結論になってしまうのです。
で、結局なにがいいたいかというと・・・w
「法律は介入することは不可能ではない」のですが、権利を主張する以上は、それなりの義務があることを忘れてはならないわけです。
色んな意見、ありがとうございました>w<